職人のこだわり
「まえかわ椅子製作」が大切に、そしてこだわりを持って使っている道具や材料たちをご紹介します。
材料全般について
各メーカーにより、同じようでいて微妙に違う椅子張りの材料。
まえかわ椅子製作では、これらの材料の品質を吟味して納得した材料のみを使用しています。
特に健康や安全に配慮した材料は割高にはなりますが、不安のある材料を安いという理由で採用することはできません。
ウレタンフォーム:比重や硬さの違うものを用途により組み合わせて使用します。
生地:1000を超える生地の中からお選びいただけます。
椅子張りに欠かせない材料:表に見える事はありませんが仕上がりを左右する重要な材料です。
注文を受けた生地:ひとつひとつシワにならないように巻かれてメーカーから届きます。
手道具について
手道具は新品の時は同じでも、使う職人のクセなどによって少しずつ変化していきます。
まさに、「手に馴染む」という感覚です。
他の職人に使い込まれた手道具は同じメーカーの同じものであっても、手にすると驚くほど違和感があるものです。
椅子張りでは様々な手道具を必要とし、そのどれもがなくてはならない物ですが、その中でも特に大切にしているのは鋏(はさみ)です。
刃先5ミリが切れるか切れないかは我々の仕事の精度を左右しますので、非常に気を遣います。
この裁ち鋏は一般の工作用鋏と異なり、衝撃にとても弱いデリケートな道具ですので、決して落とさないように気をつけています。
裁ちバサミ:最も大切に扱う道具です。
タッカー:ハサミ以上に使用頻度の高い道具。とにかくタフな作り。
椅子張りに使う道具たち ※詳しくは以下の説明をご覧ください
スプレーガン:ウレタンの接着剤はこれで狙った所に塗布します。
鉋(かんな):時には木枠をこれで調整。
ウレタンカッター:ウレタンを成形するための道具。なぜか手は切れません。
針山とメジャー:常にひょいと取れる場所に置いてあります。
タッカー各種:4種類を使い分けます。
マグネットハンマー
先端が磁石になっており、釘打ちの際にも両手が自由になる。
ボタン通し
くるみボタンを付ける道具。ボタンから出た糸を裏側に出します。
引き板
力布(麻テープ)にテンションをかけるための道具。
掻き出し
詰め物を整え調整する。
はがし
古い生地をはがす際に木槌と共に使用します。
三角へら
ウレタンをはがしたり生地を溝に押し込む際に使います。
ミシンについて
工業用ミシンは用途により様々なタイプがあります。
まえかわ椅子製作でメインに使っているのは「厚物用上下送りロングアームミシン」です。
布地から厚い革までしっかり縫う事が出来るミシンです。
その他、布地のほつれを防ぐロックミシン、革の縫いしろを薄くする革漉き機なども使用します。
機械類はこまめな清掃と注油が大切です。
工業用ミシン:厚物用上下送りロングアームミシンと呼ばれるタイプ。
くるみボタン打具:くるみボタンは同じ生地でひとつひとつ手作りです。
革漉き機:本革の厚みを調整する機械。
縫い針:手に良く馴染んだ縫い針。